本屋に行って気付くと2巻が発売していた押見修造の血の轍。
いつもの事だが押見修造は病んでいる人を描くのが本当に上手いと思う。
この血の轍、テーマは親子愛なのか?
まぁとにかくやっぱり病んでいる。
さっそく読んでみたのだが、ストーリーの闇はどんどん深くなっていっている・・
血の轍2巻
まずはあらすじ。
母・静子の突然の“異常行動”.
息つく間もなく
静一の自我を粉々に打ち砕く次なる“事件”が起こり…
幸せだった家庭は、静かに、逃げ場のない地獄へと
変容してゆく…引用AMAZONより
あらすじ:補足
清子の闇がいよいよ浮き彫りになったと言える2巻。
一巻では、まだ突発的な衝動とはいえ、異常行動は少なかった。
しかし清子はいよいよ息子への愛情が普通の親の持つソレでは無い事が明白になっていく。
血の轍・2巻はアップシーンが多かった
この2巻は登場人物の顔のアップシーンが以上に多いなという印象。
押見修造は人物の表情で内面を描こうとしているのかもしれない。
上の顔は私が最もゾクッとした清子の顔。
ちなみにこの顔は静一にラブレターを持ってきた同級生の吹石に見せた顔。
完全に女子同士でマウンティングをしている時の顔である。
普段清一には菩薩のような表情だけ見せているが相手が息子に好意を抱く女子ならばあっとゆう間にこんな顔を見せるのが清子の恐ろしい毒親らしさだ。
ちなみに女子同士のマウンティング時の表情は前巻の叔母でも描かれている。
息子への異常な愛情はどこへいく・・
2巻ではいよいよ愛と色が混ざりストーリーはどんどん異様な親子愛が描かれて初めた。
清子の息子への歪んだ愛?の本質がさらけ出され初めたといったところか。
色々な関係やモノ、人が崩壊していく中で、清一と清子の二人が愛を抱いているのは確かだ。
この愛、は親子としてのモノなのか?
異性としてのモノなのか?
はたまた、純粋に母(息子)を愛してしまいそうなのか?
このハッキリしない部分がこの先にどう描かれていくのだろう。
私の中では聖なる地獄絵図の様な漫画になるだろうと勝手に予想している。
まとめと余談
やはり、押見修造の闇は深くて良い。
血の轍ではスクリーントーンは多分使用していないと思うが、私の印象では丹念にペンで描かれていてる。
この手書き効果はこの話に非常に効果的だと思う。
余談だが、たしかナニワ金融道の青木雄二もトーンを使わない作家だったと思うがこのトーンを使わない効果というのは心理描写的に良いのだろうか?
青木雄二の場合は執念が垣間見え、押見修造の場合は病みが垣間見える。
ちなみに鳥山明もたしかトーン使用は少ない?殆ど無い?と思ったが・・まぁなんでもいいか。
さて、この血の轍2巻の感想としては、思春期のセンチメンタルな気持ちに鉄槌を食らわすような毒親丸出しの2巻だった。