思えばクラシック音楽には縁遠い人生。
まったく馴染みが無いし未だに何がなんだかよくわかっていない。
正直、誰が演奏していようが楽譜が一緒なら奏でられる音楽も一緒だろうなんて事は思ってしまう。
しかし、このピアノの森や、のだめカンタービレなどを読んでいるうちに演奏者の違いなどにも納得いく。
そういえば、なぜか音楽漫画は好きな作品が多い気もする。
2018年4月よりNHKでアニメで放送予定のようだ。ピアノ演奏者の個性や技量の表現がどのようにされるのか今から楽しみだ。
どうやら作中で使われるピアノの演奏はオーディションで選ばれるようだ。
ピアノの森のあらすじ
森に捨てられたピアノをオモチャ代わりにして育った、主人公・一ノ瀬 海(イチノセ カイ)。彼はかつて天才ピアニストと呼ばれた阿字野壮介や偉大なピアニストの父を持つ雨宮修平と出会い、その才能を伸ばしてきた。
17歳となったカイはワルシャワで開催されるショパン・コンクールに臨む。5年に一度のコンクールの参加者には実力者が揃うが、カイは予備予選、1次審査、2次審査と通過し、ついにファイナルでの演奏に臨む。「森の端」を飛び出して、日本を飛び出して、広い海を越えて、世界へ、カイのピアノを響かせるときがやってきた。
公式サイトより引用
このあらすじ、序盤が思ったより割愛された感があるので、少しだけ補足すると、主人公・一ノ瀬 海の育った環境はスラム的環境で母は売春を生業としていて母子家庭。
しかも主人公は家業?いわゆる売春宿の手伝いまでさせられる始末。母は愛情をそそいで育てているし、主人公の一ノ瀬 海はそんな環境でひねくれるような事も無く育っているのだが、いかんせん環境は悪すぎる。
悲運の元天才ピアニストは阿字野壮介は、偶然にも小学校の音楽教師として一ノ瀬海の通う学校で音楽の授業の教鞭をとっていた。
作品情報
連載開始が1998年(ヤングマガジンアッパーズ)で連載終了(モーニング)が2015年。
この既刊でコミック全26巻とはファンもさぞや付き合うのに苦労しただろう。
作者の一色まことは絵柄も含めて牧歌的な話を描くのに長けている気がする。
ピアノの森の前作、花田少年史は特に笑い泣きの要素が上手く使われていて心温まるエピソードが多かった。
その点、ピアノの森にもその要素は多いがピアノの森は、各キャラの人間性にスポットが当てられていてヒューマンドラマの要素が強いと思う。
個人的にはピアノの森の方がストーリー性が強く一気読みしやすい作品だと思う。
ピアノの森・・・感想
この漫画、読む前に前評判が高すぎるだろう?なんてイメージがあったのだが読みだしたら、評判の高さも納得出来る一冊だった。
しかもラストまで素晴らしく、じんわりと心温まる内容だった。
この漫画は、どこまでも一ノ瀬海を中心に世界が回る。一ノ瀬海の天真爛漫な姿とそれに関わる人々。
一ノ瀬海は多くの人たちに感謝しながら成長していく所も素晴らしいし、反対に多くの人達が彼(一ノ瀬海)に感謝する様に成っていく描き方も素晴らしいと思った。
ライバル心剥き出しになった親友の雨宮にも彼はあくまで親友として接し、悲運のピアニスト阿字野壮介の荒んだ心は一ノ瀬海と出会う事で希望へと変わっていく。
その他様々な人間模様が全てが皆が人生を前進させていく姿が自然に描かれている。
この部分は無理やりヒューマンドラマを押し付けられる感も無くて、本当に自然に読み進められる。
人間(キャラ)の関わり合いがこれほど素晴らしさに満ちた漫画もそうは無いだろうと思う。
少し心が病みそうになった時などはこの漫画を読んでみると前向きに、そして人にやさしく接する事もできそうな程だ。
マトメ
久しぶりにアニメ化への期待の高まる漫画だと思う。
個人的に3月のライオンのアニメは自分にはちょっと合わない感じがして見るのを止めた。
ピアノの森も3月のライオンと同じくNHKにて放送されるようだが今のところは楽しみにしている。
あとアニメ作中の演奏者の募集のページはこちらから。
出来ることならばこのオーディションもドキュメントで放送してくれると個人的にはピアノの森を読んだ余韻に浸れそうだが・・・