AMAZONプライム会員なら見ることの出来るAMAZON制作のドラマ、高い城の男。
予想以上に完成度の高いドラマで会員ならば見ておかなければ損するレベルである。
実は私はこのドラマの原作の小説は途中挫折した。
原因は内容が字で追うにしては入り組んでいて正直しんどくなったせいだ。
まぁ海外小説にはそんな事がよくある事だが・・・(ホントは訳者で選ぶと良いんだけど)
しかし、ドラマ版は小説より分かりやすく、そして面白かった。
AMAZONのレヴューでも小説版より面白いという意見があったがまさにその通りだと思う。
しかし、どうも日本では高い城の男の知名度はドラマにせよ小説にせよ低すぎる気がする。
おそらく原因はストーリーのせいかもしれない。
という訳であらすじを紹介した上で説明しよう。
高い城の男・あらすじと日本人の描写について
第二次世界大戦で敗れた1960年代のアメリカは、西海岸は日本、東半分はナチス・ドイツに占領されて傀儡国家が統治し、両国の中間には中立地帯がおかれている。世界の大半は日本とナチス・ドイツに支配され、両国は表向きの友好関係の陰で冷戦状態にある。
アメリカでは両国に抗するレジスタンス運動がひそかに広がる。
サンフランシスコとニューヨークを主な舞台とし、体制を転覆させようとする、あるいは守ろうとするアメリカ人、日本人、ドイツ人たちによる群像劇である。
「高い城の男」と呼ばれる謎の人物が収集する、自分たちの歴史とは全く異なる現実を撮影した謎のフィルム「イナゴ身重く横たわる」が出回り、フィルムを巡る争いが人々を巻き込む。
Wikipediaより引用
さてこのストーリー読んでいただければ分かると思うが、第二次世界大戦において日本は戦勝国とナチスとなっている。
つまり作中での日本は未だ軍国主義が続きアメリカ西海岸を統治している状態。
はっきり言って同じ日本人としては不快になる様なシーンも多い。
イメージとしては、出て来る日本人の殆どが戦中の特高警察のような存在で、さらに、戦後だというのにミスをした日本人が切腹するシーンまである。
また海外特有の間違った日本文化の捉え方も多々見られる。
見ていると、
「これって中国文化だぞ!」と突っ込みたくなるようなシーンも多い。
はっきり言ってしまうと日本人としてはやや受け入れづらい部分も多い。
しかし、いかんせん作品ジャンルが歴史改変SFなので、ある程度は創作としてしょうがない部分もあるかもしれないが・・・
つまりは、この作品がいまひとつ日本では知名度が上がらない原因は、描かれる日本人像に少し抵抗もある事も一因だと私は思うのだ。
しかし、それを差し引いてみても内容的にはかなり面白いのでやはり見る価値は十分にある。
この作り方は上手いと思わせた。
少しだけストーリー冒頭(第一話)部分のネタバレになってしまうが、主人公(ジュリアナ)が見るテープ【イナゴ身重く横たわる】の映像の表現が個人的にとても面白いと思った。
そのテープにはストーリー上では敗戦国であるアメリカが勝利した映像が収められている。
それは、とてつもないリアリティでアメリカが勝利した映像だ。
それを見た主人公(ジュリアナ)は涙して私たちは勝っていたと思うほど。
さてこのフィルム、どれくらいのリアリティさかというと、我々の生きる現実での実際のアメリカの勝利するフィルムが使われている。
つまり、架空の話の中の架空の話は、ドラマ視聴者の現実という入れ子(メタ)構造となっている。
この効果によってドラマへの没入感はあっという間に高まった。
リドリー・スコット総指揮での制作
リドリー・スコットといえばエイリアン、ブレードランナー、ブラック・レイン等多作な監督として知られる。
正直な所、いささか旬は過ぎたのかと思っていたがこの高い城の男の出来は相当良い。
現在(2017)にはシーズン3を制作する事も発表されているのでまだまだ楽しめそうだ。
動画紹介
宣伝の動画があった。
途中、アメリカ国旗の星の部分が鉤十字が描かれていたり、日独の挨拶がお辞儀とナチス式敬礼であったりと作中の雰囲気が伝わると思う。
まとめ
私は海外ドラマは殆ど見たことも無かった。
24もウオーキングデッドも見たことがないし、そもそも普段からドラマを見ることはほとんど無い。
ドラマは時間を取られるし、次回放送まで待つのもしんどくなる。
最後に見たのは半沢直樹くらいだ。
しかし、この高い城の男は予告編を見て、小説は挫折したが、ドラマ版はどうしても見たくなり、見出したら止まらなくなってしまった。
これを見れただけでAMAZONプライムに入会した意味があったと思う程だ。
もし会員でない場合は30日間の無料体験中に見てしまうのもいいだろう。